年末商戦をひかえ

コロスケがBBSにて、買うとしたらニンテンドー DSPSP のどっちかみたいなことを聞いていたので、パチモンHDDでリナックスが動くようなら買うと言ってはみたが、果たしてそんなことは起こりうるのかと考えてみた。当然 DS の方。
無線通信が可能で、手書き入力が可能なパネルを装備している段階で、これがPCみたいに使えたらって思ってしまうのよね。んだけどスペックを見るとメモリ容量が記載されていない。恐らく処理速度は申し分が無さそうだから、ネックになるとしたら記憶域でしょうな。
メモリ領域を画像解像度から推定しようとしてみた。まず DS は 26 万色 = 2^18 色なわけだから、
256*196*18[bit] = 884736[bit] = 108[KB]
な画面が2つあるので、最低でも表示に必要なのは 216[KB]。結構少ない。当然これの数倍以上の領域がないと画面を動かせないでしょうけれど*1。んで PSP の場合は 1677 万色 = 2^24 色なわけだから、
480*272*24[bit] = 3133440[bit] = 382.5[KB]
となるので、画面は一つだけれど、訳 1.8 倍のメモリを使うことになるようですな。まあ、これは PSP で映像を流すことを想定しているために、画素数と色数に拘った結果でしょうな。良くも悪くも。
んで PSP に搭載されているメモリ量は計 40MB。必要なサイズに比べて随分余裕だなと思ったところで、PSPUMD っつーディスクメディアを使っていることを思い出した(ぉ 要するに、ディスクの内容を一時的にメインメモリに格納しないと何も出来ない訳だから、その為に多くのメモリを積んでおく必要があったんですな。そこまできて、ようやく任天堂がメモリ量を公表していない理由に気づいた。一見スペックだけを見比べたりすると、搭載メモリ量に雲泥の差が出ちゃって、だから PSP の方がハイスペックだとか考えられてしまう恐れがあるんですな*2。そのために敢えてメモリ量は公表しないことにしたと。
そこで GBA のスペックを参考程度に見てみたところ、「32KB WRAM + 96KB VRAM(CPU内蔵) 256KB WRAM(CPU外部)」とのこと。最低必要となっている VRAM は 32000色 = 2^15 色だから、
240*160*15[bit] = 576000[bit] = 70.3[KB]
ってなるわけだし、結構一杯一杯なのね・・・ つか、ロムを使っているからこそメインメモリはこれぐらいで十分なんでしょうな。このことから察するに、DS に搭載されているメモリ量は、あくまでゲームを動かすのには十分な量と考えた方が良さそうですな。それで問題なくゲームが動くし、変にハイスペックにして単価を上げることを避けたかったことを思えば割り切った策だよな。でもメモリはガンガン安くなっているわけだし、決してギリギリな量ではないと思うんだけどね。でもまー、外部メモリでも確保しないとPC化は無理でしょうな。コンパクトにまとめたとしても、128MB のロムにOSと基本的なソフトを入れるのはきついだろうし。って、そういえば一昔前は 16MB 程度のラムでPCを動かしていたな・・・ んー、絞り込めば可能なような気はしなくもないぞ。Windows3.1 なんて、8MB のラムに 500MB のHDDで快適に動いていた訳だし。アドバンス用のカートリッジ口に SD カードみたいなのを刺せれば、2万円ぐらいでセットに出来ないものか。まあ、出たとしてそれを買ってまでやるかどうかは微妙だが(ぉ
PSP にあまり購買意欲をそそられないのは、多分普通にPCでいいやんって思っている部分が大きいのかも。今の技術なら可能で、携帯プレーヤーとしても活躍できると意気込んでソニーがハイスペック勝負みたいなものを勝ち戦として想定していただろうところで、任天堂は全然別の方向に進んでいて虚を衝かれた*3ような感じもあるし。まあ実際どっちもハイスペックではあるけれど、何か面白そうってところで負けているんだよな・・・ なんつーか、今までの延長に過ぎんというか、想像できる程度の内容というか。正直ハイスペックなゲームはPCでやればいいってところもあるし。まあPCとの親和性は明らかにこっちが上なんだけれど、UMD は個人じゃ焼けないだろうから、結局はメモリースティックに頼るんだよな。それにポインティングデバイスが標準で付いていない時点で、仮にPC化が出来てたとしてもあまり意味がないし。
まあぶっちゃけ携帯ゲーム機をPC化したいって言っているのは、メモ書きとかを保存したり作成して、あとでデスクトップに転送するみたいな「ちょっとしたPDA」として使えればいいだけなんで、何をするでもなく DS で普通に出来そうなんだけれどね。あと、結局面白ければ「ゲーム」じゃなくてもいいんで、幾分に含み笑い要素を含んでそうなハードに惹かれるところはある。
ついでだからこの、「なんかおもしろそう」ってことについてちょっと。取りあえずニンテンドー DSPSP をググって、それぞれの会社に飛んでみると、この「なんとなく」の違いがよく分かると思う。以前から見事だと思うことなんだけれど、任天堂のウェブサイトはトップからしてゲーム会社をしているのよね。何を売りにしているかも、何を伝えようとしているかも分かりやすい。そんでこれから出すハードについても、その全体像をイメージさせるのに十分なデータがある。だからこそ DS でどんなことが出来そうかとか、どんなことが出来るようになるのかと色々想像ができるってものかと。PSP 側も必要なデータは用意してあるんだけれど、で、どうしろって言う部分が見えてこない。動画が見れることは分かった、じゃあどう楽しむんだっていうようなところ。物が揃っているのは分かるんだけれど、それをどう使うかみたいなモデルが何も提示されていないんだよな。開発側は当然何らかのビジョンを持っているんだとは思いたいけれど、これじゃあ迷走しているようにも思えるよ。全てがスタイリッシュにまとまっているのは分かるけれど、DS みたいな専用ページを作ってみてもいいんじゃないの? 今回の件とは全く関係ないけれど、以前の某会社なんてトップページが株主のために存在していたからな・・・ 死んだ企業だとは思っていたけれど、何か悲しくなったさ。ほんとね、ゲーム会社は何よりも、おもしろい物を作る。新しい何かをやってやるって部分で競って欲しい。別にドット絵が動こうがポリゴンが動こうが、もうそんなことはどうでもいいんよ。重要なのは楽しいかどうか。そりゃ人間半ば義務的にマインスイーパーを永遠とやり込むことも可能よ。マインスイーパーですらやり込めるんだから、似たようなストーリで似たようなキャラクターが出てきても幾らでも義務的に遊べるさ。そうすりゃ安定したビジネスになるのも分かるけれど、それ作ってて楽しいのかと。ストーリーが違うっていうなら改造して効率良くストーリーだけを楽しむよ*4。何か段々話が逸れてきたので取りあえずまとめる。
自分が一つ思うに、結構な部分のメーカーは自由な発想とかよりも採算や株主の意向に支配されてしまっているんじゃないのかと。仕事でやっている以上は金を稼がないとしょうがないし、潰れたら駄目だから売れそうなってところに流れるのは当然だと思うけれど、この風潮が正しくてそのまま流れていくようだとどうなるかと。最悪の場合、金のかかったスペックの高いメーカー製のゲームは似たような物ばっかりで、金のかかってない小規模な物や同人畑からしか突拍子のない物は生まれてこなくなるんじゃないのかと。DS は今までになかったデバイスを2つ誕生させている。これによって有無を言わず参入するメーカーはタッチパネルと2画面という海に株主もろとも投げ込まれた感じがする。今なら何を恐れることもなく、発想を暴走させることが可能なはずだと。これで意表をつくソフトがガンガン出てきたら最高なんだけれど、製作者側がそれを使いこなせなかった場合、結局 DS も PSP も変わりがなくなってしまう。任天堂にとってはおもしろそうでありつつも、これは大きな賭けなんじゃないかと。使いこなせるのか、このデバイス。無線通信が使えて3Dが表示できるGBの進化系じゃあ寒すぎるぞ。
蛇足。思うんだけど、これ左利きの人間には操作がきついゲームも出そうだな。メトロイドなんて、もろ十時キーを使いそうな気がするんだが。

*1:書いててそんなでも無いような気がしてきたが

*2:まあ、実際そうだろうけど

*3:っつーか勝手に衝いたような

*4:果てにゃメーカーが映画作成か、おめでてーな。